2019年6月24日、Amazon S3は署名バージョン2(SigV2)のサポートを終了しました。これにより、古いバージョンのSDKやツールを使用している場合、S3へのリクエストが失敗する可能性があります。本記事では、既存ツールが署名バージョン4(SigV4)に対応しているかを確認する方法と、テストの具体的な手順を解説します。
目次
Amazon S3署名バージョン2 廃止の背景と影響
なぜ署名バージョン2が廃止されたのか
AWSは、セキュリティとパフォーマンスの向上を目的として、署名バージョン2の廃止を決定しました。署名バージョン4は、サービス、リージョン、日付に基づいた署名キーを使用し、より強固なセキュリティを提供します。
廃止による影響を受けるケースとは
署名バージョン2の廃止により、以下のようなケースで影響を受ける可能性があります:
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古いバージョンのAWS SDKやCLIを使用している場合
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署名バージョン2のみをサポートするツールやライブラリを使用している場合
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新しいリージョン(2014年1月30日以降に追加されたリージョン)でバケットを作成し、署名バージョン2を使用している場合
署名バージョン4対応の確認方法
ツールがバージョン4に対応しているかを調べる
ツールやSDKが署名バージョン4に対応しているかを確認するには、以下の方法があります:
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AWS SDKのバージョン確認:使用しているAWS SDKのバージョンを確認し、署名バージョン4に対応しているかを確認します。
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設定ファイルの確認:設定ファイルやコード内で、署名バージョンの指定がされているかを確認します。
サンプルリクエストで署名を確認する方法
実際にS3へのリクエストを行い、署名バージョンを確認することも可能です。リクエストのヘッダーを確認し、Authorization
ヘッダーにAWS4-HMAC-SHA256
が含まれていれば、署名バージョン4が使用されています。
移行テストの具体的な手順
テスト用の設定ファイルを準備する
署名バージョン4のみをサポートするリージョンにバケットを作成し、テスト用の設定ファイルを準備します。例えば、米国東部(オハイオ)リージョンにv4-bucket
というバケットを作成します。
ログでの署名検証方法
S3のアクセスログやCloudTrailを使用して、リクエストの署名バージョンを確認できます。ログ内のsigv
フィールドを確認し、SigV2
が含まれていれば署名バージョン2が使用されています。 AWS ドキュメント+1AWS ドキュメント+1
エラーが出た場合の対処法
署名バージョン2を使用している場合、以下のようなエラーが発生する可能性があります:
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The authorization mechanism you have provided is not supported. Please use AWS4-HMAC-SHA256.
この場合、SDKやツールを署名バージョン4に対応したバージョンにアップグレードする必要があります。
まとめと今後の対策
署名バージョン2の廃止に伴い、既存のツールやSDKが署名バージョン4に対応しているかを確認し、必要に応じてアップグレードを行うことが重要です。また、テストを通じて移行の確認を行い、エラーが発生した場合はログを確認して原因を特定しましょう。
AWSの公式ドキュメントやサポートを活用し、スムーズな移行を目指しましょう。
この記事が、Amazon S3の署名バージョン2からバージョン4への移行に役立つことを願っています。ご不明な点があれば、AWSの公式サポートにお問い合わせください。