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免疫学

天然痘の遺伝子は変異しないの?DNAウイルス、RNAウイルスの違い

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カラー図解 免疫学の基本がわかる事典という本を読んでいます。

1798年にエドワード・ジェンナーが開発した天然痘ワクチンが
はじめて成功したワクチンということで、天然痘は撲滅されたとされています。
牛の病気である牛痘にかかった人は天然痘にかからない、そして、牛痘の症状は天然痘よりも弱いという理由から、牛痘を接種することで、天然痘に罹るのを防ぐという方法です。
この方法は効果が大きかったようです。
後の研究で牛痘と天然痘の免疫交差はなく、別のウイルスによる偶然によるものだという話もありますが、「カラー図解 免疫学の基本がわかる事典」にはそのような記述がありませんでした。

1979年12月9日に専門家による撲滅宣言、1980年5月8日に世界保健機構(最近よく聞くWHO)による撲滅宣言が行われました。
現在、自然界に天然痘ウイルスは存在せず、アメリカ疾病予防管理センター(最近よく聞くCDC)とロシア国立ウイルス学・生物工学研究センターにのみ保管されているとのことです。

天然痘の遺伝子は変異しないの?

1798年にワクチンが開発されて、1979年撲滅宣言。
200年近くかかっています。
ふと疑問を感じたのですが、天然痘の遺伝子は変異しないのでしょうか?
紀元前10000年頃には既に存在していたとか、牛痘ウイルスから徐々に遺伝子が脱落して天然痘ウイルスになったと推測されていると言われています。
遺伝子の変異のスピードは、1年あたり100万塩基中の約9塩基の置換と推定されています。
早いのか遅いのか全くわかりません。
インフルエンザウイルスの遺伝子はRNAで誤ったコピーが起きやすく、
人の遺伝子(DNA)の1000倍の確率で変異が起こっていると言われています。
天然痘ウイルスはRNAウイルスではなくDNAウイルスなので、
仮に人間のDNAと同程度の変異確率だとしたら、RNAウイルスの1000分の1程度だと考えられます。

ワクチンが効果的に作用したのはDNAウイルスだったからだということですね。

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天然痘ウイルスを完全に廃棄してもよいの?

現在天然痘のワクチン接種は行われていないので、天然痘ウイルスを悪用して生物兵器とすることが可能です。
そういった事情もあり、完全廃棄が検討されているのですが、本当に廃棄してもよいのかという不安もあります。
もし、また流行したら…
という不安があるとのことですが、もしまた流行したら、そのときはウイルスが存在するから廃棄してもよいのでは?と素人的には考えてしまいます。
日本では1976年を最後にワクチンの定期接種が廃止されているので、
抗体を持つ人も少ないので、もしばらまかれたら大変なことになるでしょう。

天然痘がまた蔓延する可能性はあるの?

牛痘ウイルスから徐々に遺伝子が脱落して天然痘ウイルスになったと推測されているということなので、
牛痘ウイルスが存在するのなら、いずれ天然痘ウイルスが自然発生する可能性もあると考えられます。

また、現在の技術だと人工合成で天然痘ウイルスを作成できるようになるのは時間の問題です。
天然痘ウイルスそのものが完全廃棄されたとしても、ゲノム情報を捨てるわけにはいかないので、
結局、生物兵器として使われる可能性を0にすることは不可能でしょう。







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